アニマムンディ　世界観

【悪魔メフィスト】では、我と契約を？
【悪魔メフィスト】この世で一番美しく、得がたい経験を。汝が一生かかっても得られぬほどの官能を、我と過ごす間に全て、差し上げよう。
【悪魔メフィスト】そして、汝が生きるときには我がその望みをかなえ、お仕えしよう。
【悪魔メフィスト】そのかわり……汝が死んだ時には、その魂を頂きたい。
【ゲオリク】 ……いいだろう。……好きにするがいい。
【悪魔メフィスト】 ……………………

　メフィストは、満足そうにひざまづいた。
　そして、衣のからめてゲオリクを捕らえるかのように身動きを止めた。

【悪魔メフィスト】それでは、我が主よ……
【ゲオリク】 ……！！

　メフィストは、ゲオリクにそのまま、おおいかぶさるように抱きしめてその唇を吸い上げた。

【ゲオリク】 ……………ん………

　目の前がぼやけてくる。
　小さいころ、父の揺り椅子のひざの上で聞いた、悪魔の悪戯の物語。
　夢で何度も、ゲオリクの前に現れては口づけをした黒髪の悪魔。森に現れ、リリスを襲った魔物。
　今まで、ゲオリクを翻弄してきたかのように、浮かんでは消えてきた数々の場面にゲオリクは、メフィストの面影を感じた。

【ゲオリク】何故だろう……とても……なつかしい感じがするのは……
【悪魔メフィスト】思い出したか？汝の記憶の断片を……？
【ゲオリク】今まで……オレの恐怖を支配してきたのは……お前か？

ゲオリクは、なめらかな闇の中で、意識が急激に遠ざかっていくのを感じた。

【ゲオリク】（どうして、今まで拒否していたのだろう。このオレが生きている間は、この悪魔が願いを聞き入れるというのだ。）
【ゲオリク】これからは、オレがお前の主人だ。オレがお前を支配する。
【ゲオリク】お前は、オレの機嫌を損ねないように、右腕となり、オレに仕えろ。

　メフィストは、自分の胸に手を当てるとうやうやしく言った。

【悪魔メフィスト】その言葉を、お待ちしておりました……
【悪魔メフィスト】あなたの、その願いがかなうまで、貴方に、この私の全てを……

　ゲオリクは、強烈な目眩に襲われ、その場に座り込んでしまった。
　メフィストの言葉が、だんだんと遠ざかり……意識が薄れていくのがわかる。
　目眩に続いて、強力な睡魔がゲオリクをそのまま、眠りの渕へと落としていった……

※シナリオを一部抜粋しております。