【サンジェルマン】 すごい……!!こんなところに、こんなにキレイな泉が湧いているなんて!!
サンジェルマンは、歓喜の声を上げた。
【ゲオリク】 ……そういえば、嘆きの森に、ひっそりと泉が湧いているという話は聞いたことがある。
【ゲオリク】 飲んでもいいし、入浴しても体にいいらしい。一度、試してみたいと思っていた。
【ミハエル】 ……まさかお前、こんな所で、泉に入るつもりじゃないだろうな?
………………………………………………
ゲオリクたちは、泉に疲れた体を浸し、しばしの休息をとった。
【ミハエル】 ふう……やはり、普段の詰め所で入る風呂より、格段に効果があるのかもしれんな。
【ゲオリク】 やれやれ……あんなに嫌がっていたクセに、おかしな奴だな。
【ゲオリク】 ところで、サンジェルマン。お前は入らないのか?
【サンジェルマン】 ええ、いいんです。僕はその……遠慮しておきますよ。
【サンジェルマン】 ここでこうやって、貴方の背中でも流しているほうがいいです。
【ゲオリク】 変わった奴だな、お前は。
ふと、サンジェルマンが、ゲオリクの背中を流していた手を止めた。
【ミハエル】 やれやれ。こんなに気持ちいいのに、入らないなんてバカだな。
【サンジェルマン】 大丈夫ですよ。ミハエルたちが入る前に、しっかり水を飲んでおきましたから。
【ミハエル】 …………オレたちが入る前、って……オレたちは、そんなに汚くないだろう!!
【ゲオリク】 まあまあ。こういうときのために、水筒をもってきてあったからな。オレも汲んでおいた。
【ゲオリク】 まあ、もし、これで竜が見つからなかったとしても、貴重な薬効のある手土産ができたわけだ。
サンジェルマンは、ゲオリクのマントの中に、光る笛を見つけた。
【サンジェルマン】 あ、これ。さっきの笛ですね。ちょっと、吹いてみていいですか?
ピィーーーー!
すると、美しい音色が、あたりの山まで響き渡った。
【ミハエル】 ほう、上手いもんじゃないか。ゲオリクの下手クソと違って!
【ゲオリク】 馬鹿……!!こんな時に、そんなものを吹く奴があるか!
ゲオリクは泉から上がると、サンジェルマンの手から、笛を取り上げた。
……すると、凄まじい地響きがとどろき始めた。
【ゲオリク】 ……………………これは、大物が来やがったな。
【サンジェルマン】 うわ、ゲオリク……服着るの早いッ!!
【ミハエル】 な、何だ!?一体どうしたと……!?
【サンジェルマン】 ミハエル……反応遅いですね……
【ゲオリク】 ミハエル、服なんか後でいい!!剣を構えろ!!
【ミハエル】 ば、馬鹿野郎!!
※シナリオを一部抜粋しております。
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