建国祭一日目。その日は発明大会。今年で11年目にして11連勝を飾るサンジェルマン伯爵。
【サンジェルマン】 ところでゲオリク。
【サンジェルマン】 建国祭といえば、にぎやかなパレード、手に汗にぎる剣術大会……そしてあと一つは?
【ゲオリク】 ん?何かあったか?輸入品のバザールとか……そういえば、にぎやかな市が広場に立ち並んで……
【サンジェルマン】 チッチッ。違いますよ。
サンジェルマンは、調子っぱすれの声でゲオリクにつっかかった。
【サンジェルマン】 発明大会ですよ!第11回・ハードランド発明大会!
【ゲオリク】 ……………………そんなのあったか?
【サンジェルマン】 ……その、最年少チャンピオンにして、11連勝をおさめているのは、どこのだれだか知ってます?
【ゲオリク】 ……………………あんまり興味ないな。
【サンジェルマン】 ……………………そんなァ。聞いてくださいよ!
【ゲオリク】 お前か?
【サンジェルマン】 当たり!!
【ゲオリク】 そもそも、お前以外にどんな奴が参加するんだ?
【サンジェルマン】 ああッ。ゲオリク、興味あるんですか?
【サンジェルマン】 それなら是非!見に来てください。この後、2時からです。
ゲオリクは、サンジェルマンから発明大会のビラを2枚渡された。
【ゲオリク】 ……いや、1枚でいい。
【サンジェルマン】 ミハエルの分ですよ。是非、二人で来てくださいね!
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【ゲンナイ】 おお、これは!ミスター・ゲオリク!
あの、東洋の男に声をかけられた。
この人々で溢れ返ったカーマゼンの中央広場でも、ひときわ異彩を放った格好で、ゲオリク達に親しげに話し掛けてきた。
【ゲオリク】 ……ゲンナイか。
【ゲンナイ】 おお、ミスター・サンジェルマン!
【ゲンナイ】 今日は、貴方には負けない!!
ゲンナイは、手にしていた木箱から、小さな人形を取り出した
。
【ゲンナイ】 どうです、この出来栄え!!自動家事ロボットです。
【ゲンナイ】 こんなに小さいのに、お茶汲みから掃除洗濯……お料理までこなすと来てる!
【サンジェルマン】 へえ〜え。そういうの、よくある発想ですよね。
【サンジェルマン】 僕はそれより、はやくお嫁さんを探すことをお勧めしますけどねえ。
【ゲンナイ】 な……なんだとォォォォ!?
そう言って、サンジェルマンも負けじと、金のフクロウを取り出した。
【サンジェルマン】 まあ、見てください。
【サンジェルマン】 ぱっと見、ただのフクロウですけどね。
【サンジェルマン】 なんとこれは、自動偵察マシンなんですよ。中に小型のカメラを内臓して、300時間も録画できるスグレモノで……
【ゲンナイ】 おおおおおお……ッ!?そ、それはまさか……
【ゲンナイ】 い、いやッ、いかん、いかんぞ!!貴様はなんという、ふしだらな!!
【サンジェルマン】 ふしだらとは失礼な。
【サンジェルマン】 あなたじゃないんですから、そんなお下品な目的に使うなんて、そんな!考えたこともないですよ。
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