〜　一時間後　〜

「ま、まだまだぁ」
「あのー、僕好きで吹いているだけなんで、別にわざわざ割り続けなくても……」
「馬鹿言うな！　将来騎士になる人間が、こんなところで引き下がってなるものか！」
「（片っ端から割られる身としては、ちょっとわびしいものもあるんですけど……）」
「……しかしまぁ、よくも飽きないな」
「飽きませんよー。だって、しゃぼん玉ってふわふわで綺麗ですし、可愛らしいですし、それに興味深いんですよ。ほらほら、よーく見ると、下の方が膜が濃いんですよ。重力が働いていて」
「……そ、そうか？」
「そうですよ。ほら。それに、時間がたってくると、どんどん穴ぼこになっていくんですよ。実際は穴が開いてるんじゃなくて、膜が見えないくらいに薄くなってるんでしょうけど」
「わ、分からん……本当か？」
「本当ですってば。もう細かい穴がぼっこぼこの、すあき状態で……何だか……グロテスクで、グロテスクで、一度気になりだすと……（泣）」
「えーっと、吹くの止めればいいんじゃないのか」
「だ、大丈夫です！　穴があき始めたら、すばやく別のしゃぼん玉に目を移すという方法を、先ほど発明しましたから！　もう完璧です！」
「……そこまでして吹くものか？」

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ゲオリクは、ギュントリンクで田舎暮らしだった頃とかでしょうか。